遠隔地間の金銭債権、債権の決済又は資金の移動を、現金の輸送によらず金融機関の仲介により行う仕組みを、為替である。東京のある会社が京都の会社へ物品を納品した場合、京都の会社が東京の会社へ代金を支払わなければならないが、現実に現金を輸送することができない。それは盗難、紛失の危険、費用がかかったりするからである。この場合、京都の会社は京都の取引銀行に現金を払込み、東京の会社の取引銀行に対して東京の会社へ支払を指図すれば、京都の会社は現金を輸送することなく東京の会社へ支払うことができる。これを同一の国内において、内国為替と呼ばれる。
この仕組みは、京都と東京の会社の債権・債務は京都と東京の銀行間の債権、債務に振り替えられることになるが、両銀行間の金銭貸借は、全国銀行データ通信システムによって集中計算され、その貸借尻は、日本銀行における両銀行の当座預金勘定を通して決済されることになる。
ところで、ある人が日本に住み、とある人がアメリカに住んでいるとしよう。日本にある銀行とアメリカにある銀行という外国為替を取り扱う銀行仲介によって、日本在住の人とアメリカ在住の人の金銭債権・債務が決済されることになる。そして、このように通貨が異なる2者間の金銭債権・債務の決済又は資金の移動を、現金の輸送によることなく、金融機関を仲介して行う仕組みのことを、外国為替と呼ばれる。なお外国為替の中で円為替も含まれている。円貨建て信用状に基づく取引や外国への円貨建て送金取引がある。
内国為替と外国為替の違いは下記と考えられる。
- 外国為替相場の存在
内国為替は同一国内取引なので用いられる通貨は円だが、外国為替の場合は円と他国通貨との交換が必要となり、その交換比率としての外国為替相場が存在する。日本から外国に向けて円貨建てで送金する場合、日本では円貨建て取引となるので外国為替相場に影響を受けないが、外国の受取人側では円と他国通貨との両外により、外国為替相場の影響を受ける。 - 中央銀行の不存在
内国為替については、中央銀行である日本銀行が存在し、銀行間の金銭債権・債務の決済が行われている。外国為替の場合は、全世界の銀行間で行われており、中央銀行としての機能を果たす機関は、通貨・ユーロを取り扱う欧州中央銀行以外は現在存在しない。したがって各国の銀行は相手国の取引先銀行との間にコルレス契約を結び、個々に外国為替の決済を行う必要がある。 - 外国為替管理の存在
外国為替取引は、自国の経済に大きな影響を及ぼすので、各国は国際収支の均衡確保、資本逃避の防止、国内産業の保護育成など国家的な見地のほかに、国際条約の遵守や経済制裁等の国際的な見地から外国為替取引についての管理を行っている。